前回の出題から、随分間が空いてしまいました。やってみたという人は、どれくらいいたのでしょうか? では解答を。
正解は 76歩、34歩、44角、同歩、66歩、65角、同歩、45歩、88角まで9手 でした。こちらでは、後手が持駒の角を65に打つことで、局面を変えずに1手消費している訳です。
普通、詰将棋では「ここからどう指すか?」を考えます。いわば、未来について考えるのですね。しかし、これまでの2題がそうだったように、将棋パズルではしばしば「どう指した結果、この局面になったのか?」が問われます。そのような問題を、もう少し見てみましょう。
例1 手番が決まる図
ある二人が将棋を指していて、この局面に到達したとしましょう(そんなのありえないというツッコミは却下します。可能性は0ではないのですから)。どちらもルールを守って指していたとして、今どちらの手番なのかが論理的に推論できますか?
いかにも先手が17飛と王手したのに対して、後手が18歩と合駒をした局面に見えますが、それは不正解。何故だか分かりますか。
もしそうならば、2手前の局面は以下のようになります。
最初に後手が戻し、更に先手が戻したので、この局面は後手が戻す番です。しかし、ここで後手には、戻そうにも直前の手がないではありませんか!
従って、出題図は最初に先手から戻す必要があります。ということは、先手が指してこの局面に到達した、すなわち現在後手番ということが証明されました。お分かり頂けたでしょうか。
では、今回の出題です。以下の図で玉を1手詰にしてください。
簡単すぎると思った人は、上の文章をもう一度よく読んでみてね。ではまた次回お会いしましょう。
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